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DELAYの種類と歴史 |
ディレイというのは人工的に「やまびこ」を作り出すエフェクターで「やまびこ」は山などで音を発生させるとしばらくしてその音が返ってくる現象である。実際は1つのやまびこだけが返ってくるわけではなく、多数の反射音が返ってくることが一般的で、それを電気的にシミュレートしたものが「ディレイ」である。 一般的にディレイは「テープエコー」、「アナログディレイ」、「デジタルディレイ」の3種類に分けることができる。
「テープエコー」 いわゆるテープを使ったディレイで、音を遅らせる効果を最初にシミュレートした物である。構造的にはすごく簡単で、録音用ヘッドと再生用ヘッドを1列に並べてテープに録音し、音をわずかに遅らせてそれを再生する、というものである。ディレイタイムを調節するには録音ヘッドと、再生ヘッドの距離を変えることによって調節できる。もちろんアナログで、テープを使っているのでテープは擦り減る。そのため交換などのメンテナンスが大変である。デジタルディレイの普及に伴って、販売はなくなっているのではないだろうか?ただし好きな人は好きだし、シミュレータまで存在するからには、復刻してくれても良いような気もする。 テープエコー製品 「アナログディレイ」 「テープエコー」の次に使われたのが「アナログディレイ」で、構造的には信号を遅らせる回路を数珠つなぎにし、原音との遅れを作り出している。このアナログディレイは数珠つなぎに回路を作るため、ノイズが多く、S/N比及び周波数特性の点で問題が残る。(一般的には高音部が大きく削られ、こもったような音になる。)しかし、ギタリストやベーシストの中には温かみのある音を再現できるとして、現在でもアナログディレイを使用するプレイヤーがいる。ただし、レコーディング機器、スタジオ機器、PA機器としてのアナログディレイは上記のようにS/N比のや高音部が削られるなどの問題があるため、ほぼ使われなくなっている様子。ただしここでもダブエンジニアを始め、わざわざこの種を選んで使用する人もいることを記載しておく。 「デジタルディレイ」 「アナログディレイ」の次に使われ、現在も使われつづけているのが「デジタルディレイ」である。デジタルディレイはアナログディレイに変わって開発されたディレイで、デジタル回路を使用しているので、入力された信号をすべて1、0のデジタル信号に変換し、指定されたディレイタイムだけ遅らせてから出力する。信号がすべてデジタル回路で行われるため、十分なS/N比が得られ、音の劣化が少ない。そのため現在、レコーディングやPA機器に幅広く使われている。最近では、デジタルによるアナログディレイのシミュレーションまで存在しており、Line6などを始めテープエコーの音質や、アナログディレイの音質を模倣し再生するデジタルディレイまである。また数多のDAWソフト、シーケンサーソフト、プラグインなどでもアナログディレイやテープエコーをシミュレートしたものが発表されており、デジタルだからダメ、、と一概に否定できなくなっている。 「プラグイン」 パソコンが安価になり、がんばれば普通に手が届く存在になった今、DTMという言葉も普及し高機能・高速なパソコンと共に、音楽作成ソフトが多数販売されています。これらのソフトウェアの内、プラグインと呼ばれる追加機能を受け付けるものがあります。このプラグインとは簡単に言えば、自分のミキサーのセンド・リターンに新たなエフェクターのプラグをつなぐ、というような意味で、要するに基本機能に新しい機能を別途追加するためのプログラムです。ソフトウェアゆえに動作状況は使用するパソコンのスペックに左右されることがありますが、金額や機能だけを考えれば、フリーウェア、シェアウェア、プロダクトなど様々な形態で存在しており、好みの音を探すために多額のお金が必要、ということもなくなっているかもしれません。現にダブマニアによりプログラムされたダブ用のテープエコーシミュレートのプラグインが無料で手に入ったりもします。ソフトウェアであるがゆえにデジタルディレイ以上に現実離れしたタイム設定や、アナログ以上にアバウトなエコーなど、変態ソフトも様々存在しています。 |